集客において大切な指標は利益。売上でも広告費でもない。

倒産寸前だった借金20億円の家業を再建。1989年生まれ、慶應義塾大学卒、元外資系コンサルタント、現整備工場オーナー。

週に1〜2日ほど整備管理システムCarRideのアイデアをスタッフたちからもらうために出勤しています。

目次

これから整備業界の競争が始まる

美容室業界や飲食業界に比べ、整備業界の集客はとても遅れていると感じます。その原因は「集客を考えなくても食べていけた」という業界特性によるものでしょう。

毎年1万店舗が参入し、それに近い数が退場していく美容室業界と比べると、競争そのものが少ないです。しかし、そんな整備業界も2016年から淘汰が始まり、これから加速度的に廃業・倒産が増えるようになります。

生き残りの鍵となるのが集客なんですけど、ただ闇雲にやれば良いという訳ではありません。

「どの指標を追いかけて集客すれば良いか」というのを最初に理解する必要があります。でないと、「お金は使ったけど売上が伸びなくて、かえって経営が苦しくなった」ということになりかねません。

大切なのは利益

そう、大切な指標は「利益」です。

「利益?もちろんちゃんとチェックしてるよ!」と言う方も、施策単位での利益までは計算できてないのではないでしょうか?

下の例では20万円の広告出稿によって売上が50万円増えた結果、利益が10万円増えています。利益がプラスなのでこの施策はOKということになります。逆に利益がマイナスであればNGです。

このときに気をつけたいのは、売上が増えると原価も増えるので、「売上 – 広告費 = 30万円」の利益が増えるわけではないということ。

「折込チラシ」「ポスティング」「ネット広告」「フランチャイズ加盟」といったそれぞれの施策ごとに利益の変化をチェックする必要があります。

ちなみに原価に関しては正確に算出するのは大変なので概算で計算します。

集客には適切な量がある

うまくいっている集客施策ならば、ドンドン量を増やしても良いかというとそうでもありません。

実際には様々な制約条件があり利益の伸びが鈍化し、いつしか赤字集客になってしまいます。

  • スタッフの人数
  • リフトの数
  • 在庫できる数
  • 繁閑の波

この様に複雑性の高い事象に関しては「とりあえず工場の収容能力の7割まで集客してみよう。それでもまだいけそうだったら8割までやろう」という柔軟な発想が適しています。

「儲けなくても良い」という考え方

「うちは儲けにこだわらないから広告なんて…」と思っている方いませんか?

そんな方でも、10万円が入った財布を落としてしまうとショックですよね…?

広告を行わずに10万円の利益増を見逃すことと、10万円が入った財布を落としてしまうことは、ビジネス的には全く同じ意味を持ちます。(本来儲けられたものを見逃すことをビジネス用語で”機会損失”と言い、非常に重要な概念です。)

広告費は重要じゃないの?

広告費はあくまでも「結果」です。利益を最大化した結果として広告費が10万円だったり100万円だったりするんです。

中には「経費をとにかく減らしたいから、広告費もほとんどゼロだよ」という経営者様もいらっしゃいますよね?広告費を使わずに経営するのは本当に凄いことなのですが、最適な判断ではない可能性が高いです。

どんなに素晴らしい商品・サービスを提供していても、より良い経営を行う上で広告は必要です。

多くの人が「素晴らしいプロダクトだ」と称賛するiPhoneであっても、テレビやインターネットなど様々なところで広告を目にしますよね?もしApple社が広告費をゼロにしたら経営に大きなマイナスとなるでしょう。

売上は重要じゃないの?

売上も広告費同様にただの「結果」です。

「とにかく売上を上げないと」と思っている方いませんか?この考えを持たれてる経営者様は業界問わずに非常に多いのですが、会社を倒産に導きやすい考え方なので危険です。

弊社は前社長が経営していたときには典型的な「売上至上主義」の会社でした。

当時、弊社ではカー用品の通販事業(楽天、Yahoo!、Amazon)を行っており年間2〜3億円の売上を誇っていました。大きな売上が立てられていたので金融機関様からの反応もよく、大口顧客ということでメーカー様からも厚遇されていました。

しかし楽天、Yahoo!、Amazonに支払っていた広告費も含めて分析すると、実は赤字で販売している商品が非常に多いことが分かりました。

そのために販売規模を縮小(取扱商品数削減、人件費削減、倉庫スペース削減 など)することによって利益の改善を行いました。