車検入庫を増やそうと28万円かけて折込チラシを配ったら大失敗だった話

倒産寸前だった借金20億円の家業を再建。1989年生まれ、慶應義塾大学卒、元外資系コンサルタント、現整備工場オーナー。

週に1〜2日ほど整備管理システムCarRideのアイデアをスタッフたちからもらうために出勤しています。

目次

はじめに

集客の主要ツールとして折込チラシがありますよね。僕が北九州に住んでいたころは、月に何枚かの車検チラシが郵便受けに入っていました。

格安車検フランチャイズや比較的大きな地元整備工場のチラシですね。地方に住んでいる方は同じような感じではないでしょうか?

さて、今回は僕が2017年ごろに車検の集客のために折込チラシを配って大失敗した経験談について書きたいと思います。

なぜ折込チラシを?

弊社は前社長が経営していたときに格安車検のフランチャイズに加盟していました(現在は退会しています)。

そのフランチャイズ本部からの指示の1つに「毎月折込チラシを配りなさい」というものがありました。

この指示により前社長は累計1,000万円以上の折込チラシを配っていました。その数字を見たときはさすがに「マジかよ!」って思いましたね 笑

その後、僕が経営者になってからも、とりあえず1回チラシを配ってみることにしました。何事も経験ですからねー。

費用

まずはチラシのデザイン代です。これは3.5万円(税別)でした。

そして印刷代+配布代が1枚あたり7.5円かかりました。地域によっても違うと思いますが、相場くらいだと思います。

フランチャイズ本部からは「10万枚は配りなさい」と指示を受けていましたが、私は効果に懐疑的だったので3万枚にしました。10万枚配ろうと思ったら80万円ですからね、正気の沙汰じゃない 笑

3万枚ということは、合計すると3.5万円 + 7.5円×3万部 ≒ 28万円(税込)といった感じですね。

配布エリア

無策に配るのはイケてないのでちゃんと考えることに。

まずは、「顧客データ」と「北九州市の人口統計」を元に、エクセルでエリアごとの顧客化率を算出しました。

そして、顧客化率が高いエリアに重点的に配布しました。「顧客化率が高い=顧客になりやすい」と考えられるからです。

そのときにちょっと面白かったのが、「近ければ近いほど顧客になりやすいわけではない」という結果になったことです。言われてみれば当然かもしれませんが、地図を眺めて初めてわかりました。

当店と近いのに顧客化率が低いエリアにはこんな特徴がありました。

  • 当店よりも近い距離に競合他社がある
  • 当店へのアクセスが悪い(迂回しないと来店できない など)
  • 1世帯あたりの自動車保有台数が少ない

エリア別配布枚数

さらに「押し紙」も念頭に入れました。新聞業界の闇と言われてるやつですね。

全国の日刊紙で発行部数の2割程度、約1000万部が日々廃棄されているという。ノルマ達成と押し紙 – Wikipedia

新聞会社さんからいただいた表に書かれていたエリア別発行部数の7割の枚数で配布依頼しました。

検証方法

何か施策を打つときには、可能な限り「効果があったかどうか」を検証できるようにすることが大切です。

もし弊社でも前社長時代に正しく検証が行われていたら折込チラシで1,000万円以上も溶かす必要はなかったと考えると、その大切さを分かってもらえると思います。

このときは折込チラシなのでデジタルな集計は行えません。

そこで、「このチラシを持ってきた方には○○を無料でプレゼント!」とすることで、集まったチラシの枚数での検証を試みました。3年も前なので何をプレゼントしたかは忘れてしまいましたが…笑

効果

さて、回収できたチラシの枚数ですが…..ゼロ!圧倒的ゼロ!清々しいですねー。

つまり27.5万円(税別)の広告費を使って、売上が1円も増えなかったということです。ちゃんと考えた分、めちゃくちゃ凹みましたね 笑

考察

やった結果ダメだった場合も「ダメだったからやめればい良い」ではなく、キチンと考察はしておく必要があります。じゃないと「施策そのものがダメなのか」「施策のやり方がダメなのか」の区別がつかないので。

考えてみた結果、効果がなかったか理由は大きく2つありました。

理由①:2017年時点では既に折込チラシに価値は無かった。

これはすぐに思い浮かぶ理由ですね。誰もがあたり前にインターネットにアクセスできる時代に、チラシを読む人は少ないですよね。

その流れを受けて、スマホでスーパー等のチラシを閲覧できるいくつかのサービスが急成長を遂げていました。

印刷代と配布代をゼロにできるデジタルはそりゃのびますよねー。このShufoo!というサービスは凸版印刷さんのサービスなのですが、印刷会社がチラシ廃止に拍車をかけるなんてビジネス的に素敵ですよね。

理由②:車検は折込チラシに適さない商材だった。

大雑把に言うと、下図のように「顧客単価×対象顧客数」がある基準以上になる商材でないと折込チラシに適しません。

厳密に言うと、新聞購読者層の傾向(高齢、高収入)なども考慮する必要がありますが、車検はそれ以前の問題ですね。24か月に1回しか購入されないのに、顧客単価もそれほど高くない。

僕は車両販売も費用対効果が怪しいのでは?と思っていますがどうなんでしょうか。「車両販売」「車検」「オイル交換」などを1枚のチラシに詰め込むとグラフの右上に移動するので、それでうまくやってるのかな?