整備料金の変更は整備工場の武器!当店の料金設定の考え方を公開。

倒産寸前だった借金20億円の家業を再建。1989年生まれ、慶應義塾大学卒、元外資系コンサルタント、現整備工場オーナー。

週に1〜2日ほど整備管理システムCarRideのアイデアをスタッフたちからもらうために出勤しています。

目次

料金変更はいかが?

整備業界の変化は非常にゆっくりです。

「どうしてこれってこういう風になってるんですか?」というような質問をしたら、何十年も前から続いている業界慣習が答えだったりします。整備業界の新参者の僕としては結構驚かされます 笑

で、この例に漏れないのが整備料金の設定です。

他の業界ではいろいろなパターンの料金設定を試すことによって利益の最大化を図っています。たとえば、動画配信サービスの月額課金モデルであったり、ハイボールの1杯100円であったり、コストコの会員費モデルであったり。

ですが、ほとんどの整備工場はそのような試みをしていません。

オイル交換は1リットル800円だし、部品価格は部品商が設定した定価だし、工賃は全てFAINESの標準指数の通りだし。

もちろん、今のままでうまく行っているというならそのままにするのも1つの戦い方です。無理に変える必要はありません。

ですが、何かしら状況を変えたいと考えている場合は料金設定の変更を検討してはいかがでしょうか?

料金変更は諸刃の剣

もちろん料金設定を変えることはそれなりのリスクを伴います。

その中でも特に大きいのは「①値上げをすると既存顧客を失ってしまうかもしれない」「②値下げをすると既存顧客からの売上が減ってしまう」というものだと思います。

①に関しては、一旦既存の大口顧客を対象外にしてその他のお客様で試して反応を見てみると良いと思います。大口顧客を失うわけにはいかないですかならね。

②に関しては、よく美容室が行っている「新規お客様に限り!」とか、飲食店が行っている「ネットからお申し込みのお客様に限り!」とかが参考になると思います。そうすることで既存顧客から文句を言われる心配はありません。

料金とサービスのバランス

料金変更といったときに何も料金だけを変更する必要はありません。料金とサービスは表裏一体です。

たとえば、今まで「洗車」「車内清掃」「引取・納車」「代車」サービスを含めた車検の基本料金を2万円と設定していて、それらのサービスを一切行わないプランを基本料金1万円で提供するのも非常に有効な戦い方です。

高級洗車専門店とか格安タイヤ専門店などいろいろなビジネスが成立していることからも、料金設定をいろいろと試してみる価値はあります。

当店の料金設定

さて、それでは当店の料金設定についてです。

まずは当店が大切にしている2つの考え方について。

  • 出し惜しみせずにネット上に料金表を掲載する。「他社と比較されるのが嫌」と考えるのではなく、「もし比較された結果選ばれなかったとしても電話対応の時間を節約できる」「ネット上に料金が掲載されている整備工場のみを比較対象とするお客様が一定数いるので、掲載するだけで有利になる」と考えるべき。
  • FAINESの標準指数にこだわらず、多少の誤差ならワンプライス化する。「FAINES上での正確な料金でお見積しよう」と考えるのではなく、「事務作業を減らして楽をしよう」「お客様からのお電話に即答できずに売上を逃してしまう方がもったいない」と考えるべき。

そして今度は具体的な料金設定の考え方について。

  • オイル交換
    先代のときは5W30軽自動車を980円(税込)で行っていましたが、さすがにそれだとやっていけなかったので2回に渡って値上げをして今は2,000円(税込)になっています。この値上げでかなりのお客様が減りましたが、どうやら「安いからオイル交換だけ遠方からしにきている」という方が多かったみたいでトータルでみたら値上げして良かったなと思います。
  • タイヤ交換
    「原価」+「インチ別の工賃」としています。なので高級国産タイヤを売っても格安輸入タイヤを売ってもインチ数が同じであれば利益は同じです。同じような価格設定を行っている店を聞いたことは無いですが、結構合理的かなと思っています。
  • バッテリー交換
    原価の2倍としています。大手カー用品店と比較したときに少しだけ安い料金になっているみたいです。
  • ドライブレコーダー持込取付、持込タイヤ交換
    持込取付をご希望のお客様はネットで料金を比較して来店される傾向が強いはずです。つまり、ネットに料金を掲載している他社にさえ勝てれば問題ないので、他社がネットに掲載している料金よりほんの少し低く設定しています。
  • 車検基本料金
    当店は車両販売もしていないですし、下請け整備も行っていません。そこで車検基本料金を地域最安値にすることで車検集客を行っています。ですがサービスは最低限に止めることにしていて「光軸調整」「ヘッドライト磨き」は別途料金を頂戴することにしています。
  • ワイパー交換、エアコンフィルター交換、エアフィルター交換、ブレーキパッド交換、ブレーキライニング交換、ドライブシャフトブーツ交換、タイロットエンドブーツ交換、ベルト交換
    これらは車検でよく発生する整備なので事務作業削減のためにワンプライス化を行っています。

ワンプライス化をするときにかなり参考にさせてもらったのがこちら、ジェームス須恵インター店様の料金表

「手間暇をかけて導かれた大企業の考え方ってそんなに外れてないよね」っていう考え方は怠惰ですが有効です 笑

ビジネス界隈で有名な話として、「オリジン弁当の出店戦略はセブンイレブンの近くに出店すること」というのがあります。真偽のほどは定かではないですけど、なるほどなと思わされます。つまり「全国小売店の雄であるセブンイレブンが出店するってことは弁当を売るのに良い場所であるに違いない」という考え方です。