車屋・中古車屋・自動車整備工場の開業準備リスト(資格・設備・資金)

この記事を書いた人
湯佐卓也(ユサタクヤ)

福岡で『指定整備工場』と『整備・車販ソフトCarRide』の2社を経営しています。

車屋を開業する際に必要な準備は?

自動車整備工場や中古車屋を開業する際に必要となる準備についてまとめました。自社に必要となる項目を洗い出し、一つずつ潰していきましょう。

また、項目によっては開業時になくても間に合うものもあります。完璧に準備をするのは時間がかかるので、ある程度のところで見切りをつけて開業するのが一般的です。

資金周り

  • 自己資金(預金):銀行融資を受ける際にチェックされる項目です。受けたい融資額の3割程度を用意しましょう。(例:融資額1,000万円なら自己資金300万円)
  • 銀行融資:銀行融資を受けるには説得力のある事業計画書が必要です。まずは公的機関である日本政策金融公庫の創業融資を受けるのがオススメです。
  • クレジットカード:クレジットカードがあれば経費の決済が楽になります。また、引き落としは利用日から1〜2ヶ月後に行われるため、資金繰りの面でもメリットがあります。
  • 銀行口座:「地銀または信用金庫」と「ネット銀行」を1つずつ用意すると安心です。ネット銀行は、審査がゆるく、振込手数料の安い銀行がオススメです。(例:GMOあおぞらネット銀行住信SBIネット銀行
  • 決済代行会社:キャッシュレス決済を導入すると顧客利便性が向上します。しかし、2%〜4%の決済手数料が発生するため、導入するサービスや、現場での運用方法などを検討する必要があります。
  • オートローン会社

資格・届出周り

  • 開業届の提出または法人設立:個人事業の場合は開業届の提出、法人の場合は法人の設立が必要です。
  • 青色申告申請書:メリット・デメリットがあるため、税理士等に相談しましょう。
  • インボイス登録:メリット・デメリットがあるため、税理士等に相談しましょう。
  • 古物商許可:中古車を売買する場合に必要です。自動車ユーザーから廃車を引き取り、解体業者に引き渡すだけの場合は不要です。一般的に、オートオークションの審査基準には「古物商許可取得後1年以上経過」という条件があるため、早めに取得しましょう。
  • 自動車リサイクル法引取業登録:自動車ユーザーから廃車を引き取り、解体業者に引き渡す場合に必要です。
  • ETCセットアップ登録店:一般財団法人ITSサービス高度化機構の審査があります。
  • 保険代理店登録:自賠責保険・任意保険を販売する場合に必要です。
  • 保険募集人資格:任意保険を販売する場合に必要です。自賠責保険だけの場合は不要です。
  • 自動車整備士資格:認証を取得しない場合は不要です。

物件周り

  • 物件を契約
  • 電気・水道・ガスを契約
  • 消防に届出
  • 警備会社と契約
  • 防犯カメラを設置
  • 看板を設置:建物に貼り付ける看板と、道路に対して垂直に立てる自立看板がオススメです。カッコ良さよりも、ひと目でどのようなサービスを提供している店かが伝わるデザインにすることが重要です。

整備工場の物件探しについては以下の記事でまとめています。

店舗備品周り

備品の購入を安く済ませたい場合は、近隣のリサイクルショップやジモティなどで探しましょう。

  • 冷蔵庫
  • エアコン
  • テレビ
  • ソファ・テーブル
  • 椅子・事務机
  • レジ
  • 掃除道具

機械・工具周り

  • 工具
  • タイヤチェンジャー
  • ホイールバランサー
  • オイルチェンジャー
  • リフト・ジャッキ・ウマ
  • エアーコンプレッサー
  • スキャンツール・診断機
  • リンサークリーナー
  • 車用掃除機
  • 洗車用具
  • 洗濯機
  • 代車

認証工具については以下の記事でまとめています。

事務周り

  • パソコン
  • インターネット回線
  • 電話機
  • 電話回線
  • 複合機:複合機はランニングコストに大きな差が出るので、初期コストだけを見て決めないようにしましょう。
  • 整備・車販ソフト:クラウド型のソフトが便利です。(例:整備・車販ソフトCarRide
  • 会計ソフト:クラウド型のソフトが便利です。(例:freeeマネーフォワード
  • FAINES:整備振興会に加入していなくても契約できます。(FAINESの料金表
  • 領収証印紙:5万円以上の領収証を発行する際には収入印紙の貼り付けが必要です。
  • 印鑑・朱肉:実印の他に、店舗情報をまとめて押せるゴム印もあると便利です。

仕入れ周り

開業前に、備品や部品を一式用意しましょう。

  • オートオークション:審査があるので早めに申し込みましょう。
  • 部品商:自動車メーカー系(例:トヨタパーツ・ホンダ部販・日産部販)、地場独立系、リビルトメーカー系など、複数社と取引きがあると便利です。
  • タイヤメーカー:価格重視のときは通販、急ぎのときはタイヤメーカー(例:ヨコハマタイヤ・ブリヂストン・ダンロップ)と使い分けると便利です。
  • モノタロウ:消耗品・備品などの仕入れに。
  • ヤフオク:中古部品などの仕入れに。
  • Amazon:ドラレコ・ETC・タイヤ・バッテリーなどの仕入れに。

集客周り

  • Googleマップ(Googleビジネスプロフィール):集客の要となるので、店舗情報を詳しく登録しましょう。また、月に2〜4回を目安に「投稿」を作成するのがオススメです。
  • ホームページ:現在は誰でも簡単にホームページを作れます。(例:JimdoWixWordPress
  • 中古車検索サイト
  • チラシ:飛び込み営業で配ったり、来店客に渡したりします。
  • ハガキ:車検や点検の案内で使います。郵便料金の大幅値上げにより、SMS配信サービスに切り替える車屋も増えています。
  • 名刺

その他

  • 各種保険を契約:施設賠償責任保険、受託自動車保険、PL保険、火災保険、車両賠償保険、販売用中古車の自動車保険、代車の自動車保険
  • 営業日時を決定
  • メニュー・料金を決定
  • 産廃業者
  • 廃車買取業者
  • 廃バッテリー買取業者
  • 顧問税理士